国産第一号の自動押印機
モリコーの前身は、1924年に森幸太郞が創業した森幸電機製作所。当初は、当時の逓信省(後の郵政省、現日本郵便)に通信機や電話機用の部品を納入していました。昭和の初め頃に郵便業務の機械化が図られた際、その縁で逓信省より要請を受けて開発し、1932年に完成したのが「森幸式自動押印機」です。その後株式会社森幸製作所と改組し、1947年には旧郵政省第一号の指定工場となりました。
この自動押印機は郵便局の現場の声を聞きながら改良を重ね、1954年に開発された卓上押印機は旧郵政省の指定機として全国の郵便局に配備されました。その後「書状自動押印機 G3」が日本全国の郵便局で標準機として採用されたほか、2006年にはインクジェット自動押印機が東京の主要郵便局に設置されるなど、郵便局の現場で高い評価をいただいています。
郵便局の扱う郵便物は、厚みの異なる多様なものが混在しています。それを1枚ずつ正確にフィードする仕組みを可能にしたのは、弊社が創業以来手がけてきた歯車の技術による分離機構です。
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国産第一号の自動押印機。電気を使わず、ハンドルを手動で回して1枚1枚消印を押すというものでした。
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書状自動押印機 G3。定形サイズの封書とハガキが混合していても同時に押印できる点が画期的と評価されました。